倹約エンジニアの分散投資ブログ

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ニッケルの需要と採掘会社 〜電動化の流れで期待したい〜

こんにちは!

 

本日はニッケルについて書きたいと思います。

世界は自動車の電動化へと流れており、EVやFCVが普及していくことになります。

 

EVに搭載されるリチウムイオン電池正極材のうち、ニッケル酸リチウムや高ニッケル三元系正極材にはニッケルが使用され、EVの普及とともに今後ニッケル需要の増加が期待されています。

 

 

 

1. ニッケルの需要

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右記サイトを参考に作成 https://ar2019.nornickel.com/commodity-market-overview/nickel

2019年ではニッケルの用途の70%以上がステンレス鋼です。

参考にしたサイトではトータルが100%になっておりませんでしたが、おそらく「その他」の用途があると考えられます。

グラフではざっくりとした用途が書かれていますが、もう少し具体的には以下のような用途があるようです。

[化学]

・化学の試薬・触媒

・高温下条件や濃縮溶液下における防腐剤

 → 高温や低温条件で酸やアルカリに対して、さびない

 

[歯列矯正術 (医学)]

Ni-Cr合金として使用される

・ワイヤ、はんだ

歯列矯正

・焼き付け陶材

 

[電気メッキ]

・腐食性物質の保管や輸送用タンクの製造

ジュラルミン製の航空機のプロペラブレードの保護

・台所用品や家具の付属品、家電製品

 

バッテリーの主原料と言われつつも、バッテリーとしての用途の内訳は7%ほどとなっていますが、今後増大していくと考えられます。

 

2. ニッケルの需給バランス

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引用 http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2021/01/market_202012.pdf

グラフの下の方にある棒グラフが需給バランスです。マイナスほど供給不足であり、プラスになるほど供給過多となっています。

 

2020年は供給過多の傾向がありましたが、これはコロナウイルスによる工業製品の落ち込みにより需要が低下しただけだと考えられます。

さらに11月に米大統領選でバイデン氏が勝利したことにより、クリーンエネルギー事業すなわちEVの普及によるバッテリー金属材料の需要が高まることを考慮すると、今後はニッケルの需要が高まると考えられます

 

3. ニッケルの採掘会社

ニッケルの採掘会社を生産割合の高い順番から並べたグラフを以下に示します。

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引用 Nickel – Commodity market overview – Nornickel 2019 Annual Report

右のグラフはプライマリーニッケル (primary nickel) の生産割合で、プライマリーニッケルは以下のように2つの主なグループに分けられます。

ハイグレードニッケル (High-grade nickel) (左のグラフ)

 → 電池の正極やブリケットなどの製品として使われる

・ローグレードニッケル (Low-grade nickel) 

  → 鉄合金やニッケル銑鉄として使われる

 

国際ニッケル研究会の定義によれば、プライマリーニッケルとは精製錬所の生産物で、精製錬所以外の消費者がそのまま使用できる形態のものを指すとされています。

つまり、用途を問わない場合にはプライマリーニッケルのグラフを参考にし、電池の正極としての需要が高まることを期待するならハイグレードニッケルのグラフを参考にするといいかもしれません

 

本記事では自動車の電動化に伴いニッケルの需要が高まると見越しているので、左のハイグレードニッケルの生産割合のグラフを軸として採掘会社について書いていきます

 

3-1. ノリリスク・ニッケル (Nornickel) (MCX : GMKN)

ロシアの非鉄金属生産企業であり、ニッケルやパラジウム、銅、プラチナ、コバルト、ロジウム、イリジウムルテニウム、銀、金、セレン、テルル、硫黄、硫化ナトリウム、塩化ナトリウムなどを生産しています。

 

ちなみに生産量に関してはハイグレードニッケルだけでなく、パラジウムも世界1であり、プラチナは世界4です。

 

↓企業のホームページも見やすく、色々勉強になります。

https://www.nornickel.com/

おそらく開くとロシア語ですが、英語に変換できます。

 

リリスク・ニッケルの週足チャートとニッケル先物との相関係数

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11月ごろからニッケルとの相関係数は上がってきている一方で、パラジウムとの相関係数は低下しています。

3-2. 金川集団 (Jinchuan) (SEHK : 2362)

中国の鉱山会社であり、ニッケルやコバルト、プラチナ、銅など金属の探査・採掘に従事しています。

その他、子会社とともに化粧品や美容事業、および不動産投資・開発事業という2つのセグメントも運営しています。

 

3-3. グレンコア (Glencore) (LSE : GLEN)

スイスの鉱山開発および商品取引を行う多国籍企業です。売上高では食品最大手のネスレを凌ぐスイス最大の企業です。

 

3-4. ヴァーレ (Vale) (NYSE : VALE)

ブラジルの総合資源開発企業です。主力商品は鉄鉱石であり、鉄鉱石の生産・販売シェアは35%で世界一らしいです。

 

3-5. シェリット (Sherritt) (TSX : S)

カナダに拠点を置くニッケルやコバルトなどの資源大手会社です。キューバ・ニッケル公社とニッケルやコバルトを共同生産しています。

 

3-6. BHP (BHP) (NYSE : BHP, BBL)

オーストラリアとイギリスの会社が二元上場会社となることにより形成された会社です。ニッケル生産各社の中でも、EV向けのニッケル需要増への対応を強化しています。

 

BHPの週足チャートとニッケル先物との相関係数 

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ニッケルとの相関係数は'20年1~3月と11月ごろに低下しましたが、それ以外の期間では高いです。

3-7. 住友金属鉱山 (Sumitomo MM) (東証 : 5713)

日本の金属資源大手の会社です。別子銅山や世界有数の金鉱脈がある菱刈鉱山などを経営しています。

 

住友金属鉱山の週足チャートとニッケル先物との相関係数 

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2020年の初めはニッケルとの相関係数は低かったですが、3月以降は高いです。

 

その他. アネカ・タムバング (IDX : ANTM)

ランク外ですが、個人的に注目している企業です。

インドネシアの鉱業および金属事業に従事する会社です。同社の事業はニッケル鉱やニッケル鉄合金などのニッケル事業と、金や銀、プラチナ、パラジウムの金・精製事業に分類されます。

 

アネカ・タムバングの週足チャートとニッケル先物との相関係数 

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1年間で見るとニッケル先物と正相関です。

 

以上がハイグレードニッケルの採掘が多い企業です。

投資を考える場合は、オペレーティング・レバレッジがかかるためニッケルの価格より値動きが大きくなる可能性があることを忘れないようにしましょう。

オペレーティング・レバレッジについては、この記事の1番最後に貼る記事をご参照ください。

 

3. ニッケルのETF

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探せたのが上の2つだけです。

1694については出来高が低く、ニッケル先物との連動も低く、たまに逆相関になっていたりしますので、投資は避けたいです。

 

4. 最後に 

金属というと本ブログではこれまでに金銀プラチナといった貴金属についての記事を書くことが多く、今回初めて卑金属の需要や採掘会社について取り上げました。

 

ニッケルの性質やリチウムイオン電池についても書こうと思ったのですが、ボリュームが多くなると考えて省きました。

自動車の電動化は世界的に進んでいくことなので、バッテリーの主原料となるリチウムとニッケルに注目してきたいと思います。

ちなみに今後はコバルトフリー化が進められているようですね。このあたりも調査していきたいと思います。

 

 

本記事のチャートは全てhttps://jp.tradingview.com/chart/qT0vElHG/ を使用しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。以下のような記事もありますので、よろしければご参照下さい。 

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