銅の価格動向と需給、採掘会社について
こんにちは!
本日は銅について書きたいと思います。ここ数日ですでに大きく上昇しており、書くのが少し遅いですが、参考に読んでいただければと思います。
銅といえば、投資をしている方々には「ドクター・カッパー (Copper = 銅)」として知られています。
これは最大の消費国である中国景気を「診断」するように先行するためですが、以下の理由から現在さらに注目されています。
電気自動車(EV)の製造過程で使う銅の割合は、ガソリン車を製造する時に比べ4倍近く増加します。
また、風力発電や太陽光パネルに至っても銅は欠かせないものであり、従来の化石燃料発電で電気を生産する場合と比較すると、風力発電や太陽光パネルを使用した場合に必要とされる銅の量は5倍近くとなります。
世界的に風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの生産能力を引き上げるという動きがあることから、銅の需要がさらに増加することが期待されます。
1. 銅の価格推移
銅先物価格の月足チャート
2020年後半から大きく上昇しており、現在の価格は直近の最高値である2011年の価格に迫っています。単純移動平均線はゴールデンクロスのように見え、MACDもシグナルを上抜けしており、強い上昇のように見えます。
RSIが80手前と、買われすぎラインに突入しかけていますが、2011年の高値を目指しそうにも見えます。
2. 銅の需給
銅の需給グラフを下図に示します。オレンジ色の線が基本的需要であり、青色で塗られたエリアが基本的供給です。
グラフの左上に「銅は十分な速さで発掘されていない」「迫りくる銅の供給不足」と書かれていますね。
引用 Projection of copper supply and demand produced by junior mining... | Download Scientific Diagram
この図は2016年第4四半期にWood Mackenzieによって報告された見通しです。
もっと最近のデータが欲しかったですが、見つかりませんでした。
ただし、ネット上で見つかったいくつかのグラフには以下2点が共通しています。
・銅の需要は右肩上がりであること
・銅の供給は2019年あたりがピークでその後減少すること
なぜ銅を速く発掘できないか、なぜ2019年が銅の供給量のピークとなるかについては、もっと調べたり勉強したりする必要がありそうですが、供給不足が見込まれているのであれば、銅価格や銅採掘会社の株価上昇にはポジティブです。
クリーンエネルギー事業は達成されるのか、本当に環境に良いのかという疑問はいったん置いて、投資対象として検討する価値はありそうです。
3. 銅の採掘会社
2019年の銅採掘会社を供給割合が多い順に並べると下図の通りです。
引用 https://ar2019.nornickel.com/commodity-market-overview/copper
供給割合の高いTOP5の会社について1社ずつ以下に書いていきます。
生産量1位 BHP Billiton (NYSE : BHP) (オーストラリア)
BHPビリトンはオーストラリアの資源採鉱会社です。鉱物資源、金属、石油製品、石油・ガスの採鉱・処理事業に注力するほか、販売サービスを提供し、世界各地で事業を展開しています。
ハイグレードニッケルの生産量も2019年時点で世界6位です。
生産量2位 Codelco (チリ)
チリの国営鉱山企業にして最大の企業です。銅はチリ最大の産業かつ最大の外貨獲得手段であり、銅によって国家の経済が成り立っていると言われております。
生産量3位 Freeport-McMoRan Inc. (NYSE : FCX) (米国)
フリーポート・マクモランはアメリカの国際的な天然資源会社です。多様な地域に大規模で長期間存続する銅、金、モリブデン、コバルト、石油、ガスなど大量の埋蔵資産を取り扱っており、株価は昨年約90%上昇しました。
生産量4位 Glencore (スイス)
スイス・バールに本社を置く鉱山開発及び商品取引を行う多国籍企業です。ハイグレードニッケルの生産量も2019年時点で世界3位です。
生産量5位 Southern Copper Corporation (NYSE : SCCO) (ペルー)
サザン・コッパーはペルーの銅山会社です。ペルーとメキシコで採鉱に従事しており、露天掘り鉱山および治金施設を保有・運営し、銅、モリブデン、亜鉛、貴金属を生産しています。
TOP5より下だが個人的に注目している企業
生産量10位 Rio Tinto (英国、オーストラリア) (NYSE : RIO)
リオ・ティントは、1995年に英国に本拠をおく鉱業会社 RTZ とオーストラリアの CRA が二元上場会社を形成することにより成立した国際的な鉱山会社です。
アルミニウム、ホウ砂、石炭 、銅、金、鉄鉱石、鉛、銀、錫、ウラン、亜鉛、二酸化チタン原料、ダイヤモンド、滑石、ジルコンなどの鉱山事業に出資しています。
鉄鉱石の生産量は2020年時点で世界1位 (参考 Top five iron ore producing companies of the world )、
アルミニウムの生産量は2019年時点で世界5位です (参考 • World's leading primary aluminum producing companies 2019 | Statista)。
生産量11位 Norilsk Nickel (ロシア) (MCX : GMKN)
ロシアの非鉄金属生産企業であり、ニッケルやパラジウム、銅、プラチナ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、銀、金、セレン、テルル、硫黄、硫化ナトリウム、塩化ナトリウムなどを生産しています。
ニッケルの記事でも書きましたが、生産量に関してはハイグレードニッケルが世界1位、パラジウムも世界1位であり、プラチナは世界4位です。
4. 銅先物に連動したETF
1693 (WisdomTree 銅上場投資信託)
東証1部に上場している円換算した米ドル建て銅商品指数が対象のETFです。
JJC (iPath シリーズB ブルームバーグ銅サブ指数トータルリターンETN)
NYSE上場のETFであり、楽天証券では取り扱いがありますが、SBI証券ではありません ('21年2月21日時点)。
CPER (United States 銅指数ファンド)
NYSE上場のETFであり、楽天証券・SBI証券いずれでも取り扱いはありません ('21年2月21日時点)。
5. 最後に
クリエネ関連銘柄の上昇が落ち着いてきていますが、銅は勢いがありますね。
短期的にも上昇しているので少し警戒しますが、基本的には上目線でいこうと個人的に思っています。
※投資は自己判断でお願い致します。
本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。以下のような記事もありますので、よろしければご参照下さい。
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