燃料電池 (自動車)・水素関連銘柄のまとめ
こんにちは!
先日の記事で紹介した燃料電池関連銘柄の例が少なかったので、調べてまとめてみました。
燃料電池や水素関連銘柄は期待先行で急騰しているだけかもしれませんが、興味があるので書くことにしました。
主要な銘柄が抜けていたり、記載内容にミスがありましたら、教えていただけると幸いです。
- 1. 燃料電池自動車の仕組み (簡単に)
- 2. 燃料電池 (自動車) 関連銘柄
- 3. 燃料電池自動車の水素タンク関連銘柄
- 4. 水素ステーションや水素生成・精製技術関連銘柄
- 5. 自動車メーカーの銘柄
- 6. 最後に
1. 燃料電池自動車の仕組み (簡単に)
引用 トヨタ MIRAI | 特長 | トヨタ自動車WEBサイト
STEP1 : 酸素 (空気) と高圧水素タンクの水素を燃料電池 (FC) スタックに送り込みます
STEP2 : 酸素と水素の化学反応により発電し、電気と水が生成されます
STEP3 : モーターに送電して駆動します
発生した水は社外に排出されます。
なお、本記事では燃料電池と水素関連に焦点を当てているため、バッテリーやモーターについては触れません。
バッテリーやモーターはEVやHVで使用しているものを応用したり、開発・製造会社が共通している場合がありますので、今回は省きます。
2. 燃料電池 (自動車) 関連銘柄
燃料電池自動車の心臓部分となる燃料電池関連の部品を開発・製造している銘柄を下表にまとめました。
(上表は各社HPや会社四季報ONLINE (https://shikiho.jp/) 、日本経済新聞 を参考に作成)
各部品はどこにあるのか、燃料電池の構成と簡単な説明を書いていきます。
右記サイトの図を基に作成 燃料電池(FC)とは - 水素・燃料電池実証プロジェクト -JHFC
燃料電池 (FC) スタックはセルが多数積み重ねられて構成されています。
セルの詳細について、中心の電解質膜が電極 (燃料極と空気極) とさらに外側の2枚のセパレータで挟まれて構成されており、下図のように発電を行う最小単位のことを指します。
右記サイトの図を基に作成 燃料電池(FC)とは - 水素・燃料電池実証プロジェクト -JHFC
発電の仕組み
1. 水素タンクから供給された水素 (H2) が、燃料極で電子 (e-) を放出して水素イオン (H+) になります。
2. 水素から放出された電子は、外部回路を通って反対側の空気極に向かって電流として流れて、電力が発生します。
3. 空気極では空気中から取り入れられた酸素分子 (O2) が、外部回路から流れてきた電子を受け取り、酸素イオン (O2-) になります。
4. 酸素イオン (O2-) は、電解質膜を伝って移動してきた水素イオン (2H+) と結合して、水 (H2O) になります。
3. 燃料電池自動車の水素タンク関連銘柄
燃料電池へ供給される水素用のタンクの部品を開発・製造している銘柄を下表にまとめました。
(上表は各社HPや会社四季報ONLINE (https://shikiho.jp/) 、日本経済新聞 を参考に作成)
部品には強度や密閉性が求められます。
4. 水素ステーションや水素生成・精製技術関連銘柄
(上表は各社HPや会社四季報ONLINE (https://shikiho.jp/) 、日本経済新聞 を参考に作成)
水素ステーションの種類については、下図に示します。
引用 充電スポット/水素ステーション | クリーンエネルギー自動車AtoZ
技術力が高く水素関連ですが、燃料電池や水素インフラとは関係のない以下のような銘柄もあります。
中外炉工業 (1964)
→工業用水素バーナーやアンモニアのみを燃料として安定燃焼させる技術を開発した会社です。
・この技術によりCO2の排出がゼロに抑えられ、NOxの排出が大幅に低減されており、水素バーナーはトヨタの工場鍛造ラインに導入されているようです。
・全固体リチウムイオン二次電池の電解質の製造装置に参入したようです (日刊工業新聞2020年4月20日付 )
以上より、燃料電池や水素インフラ関連の銘柄というよりは、より大きいくくりとしてクリーンエネルギー関連の銘柄と捉えた方が良さそうです。
新日本理化 (4406)
→電気分解による水素生成が祖業ですが、現在は以下HPの例のように、水素を用いて化合物を水素化しております。
HPの工場の説明に「水素が調達できる恵まれた立地条件を活かし」と書かれており、工場の立地は海か川付近のため、水の電気分解で水素を製造して、自社の研究開発 (水素化反応) に使用していると考えられます。
現段階では燃料電池や水素インフラには関連していないと推測されます。
5. 自動車メーカーの銘柄
自動車メーカーに投資するという手もあります。燃料電池自動車を開発しているメーカーは開発していないメーカーと差がつく可能性があります。
・トヨタ自動車 (7203) は燃料電池自動車「MIRAI」を発売しており、日野自動車 (7205) と燃料電池の大型トラックを共同で開発しています。
・本田技研 (7267) は燃料電池自動車「クラリティ」を発売しており、いすゞ自動車 (7202) と燃料電池大型トラックの共同研究契約を締結しております。
・米ゼネラル・モーターズ (GM) は燃料電池トラックを開発するベンチャーのニコラ (NKLA) と大型トラック向けの燃料電池の供給の範囲で提携している。
※ニコラは過去に技術力を偽って宣伝したことがあります。燃料電池トラックが「運転中」というプロモーションビデオは、実際には坂道を転がして撮影していたものだったというやつですね。
6. 最後に
燃料電池や水素関連の株はすでに急騰しているものが多く、下落を警戒したいところです。
しかし将来、燃料電池自動車の普及や水素社会となることを考えると、燃料電池や水素関連銘柄の株価のピークが今とは少し考えにくいという印象を受けます。
燃料電池の先行きによって受ける影響については、燃料電池ユニットを開発・生産している会社は大きく受け、繊維やセラミックなどの部品を開発・生産している会社は比較的小さく受けると考えられます。
今回の記事で、燃料電池や水素関連で主要な銘柄が抜けていたり、記載内容にミスがありましたら、コメントかブックマークコメントなどで教えていただけると幸いです。
なお、本記事では銘柄を紹介しただけであり、投資を推奨しているわけではありません。仮に投資判断を下す場合は情報を収集・精査し、自己判断でお願い致します。
本日の記事は各サイトと趣味で買っていた以下の書籍を参考にしました。
↓燃料電池自動車の仕組みが書かれています。また、電気自動車やハイブリッド自動車の仕組みについても書かれており、比較されている本です。
↓自動車よりも燃料電池に特化しています。様々な燃料電池や触媒についても上の本より詳しく書かれている本です。
以下にも燃料電池関連の記事がありますので、興味ある方はぜひご参照下さい。
owngoalkun-credentials.hatenablog.comowngoalkun-credentials.hatenablog.com
owngoalkun-credentials.hatenablog.com
本日は以上です。少しでも参考になればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。