アルミニウムの価格と投資について

アルミニウムの価格・投資について書きます。

I will write this article in English at a later date.

世界は自動車の電動化へと流れており、BEVやFCVが普及していくことが予測されています。

 

電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池の正極活物質には以下のような種類があります。

・NCM (ニッケル・コバルト・マンガン)

・NCA (ニッケル・コバルト・アルミニウム)

LFP (リン酸鉄)

など

 

上記のうちNCAにはアルミニウムが使用され、上記いずれの正極活物質を使用したとしても、集電箔にアルミニウムが使われています。

すなわち、自動車の電動化に伴いアルミニウムの需要が増加することが期待されています。

 

しかし、昨今の下落相場において、アルミニウム先物は2月末をピークに下落トレンドとなっています。

アルミニウム先物の週足チャート ('22/6/11 時点)

引用 https://jp.tradingview.com/chart/qT0vElHG/

需要の増加に伴い価格が上がることは期待されていますが、リセッション危惧や金利上昇など逆風もあります。

今回の記事では各機関によるアルミニウムの価格予測と需給予測、投資手段をまとめました。

 

 

 

 

 

1. 価格と需給の予測

各機関のアルミニウム価格予測グラフは、knoemaというデータプラットフォームから引用*しました。

* https://jp.knoema.com/infographics/ffzioof/aluminum-price-forecast-2021-2022-and-long-term-to-2035#:~:text=According%20to%20the%20World%20Bank,prices%20will%20reach%20%242%2C400%2Ft.

 

IMF (国際通貨基金) によるアルミニウムの価格予測

 

ISA (イノベーション科学オーストラリア) によるアルミニウムの価格予測

 

両者とも2022年に価格がピークするという予測は一致していますが、

IMFは2022年以降に下げ続けることを予測しているのに対して、

ISAは2025年に底をつけ、それ以降上がることを予測しています。

 

 

世界のアルミニウムの消費&生産予測

2022年以降に生産が消費を上回りますが、2026年ごろに供給不足が予測されています。

これを考慮すると、価格はISAの予測のようになりそうな気もします。

2. 需要と生産会社の内訳

2021年のアルミニウムの需要内訳

引用 Aluminum Market Trends, Analysis (2022 - 27) | Industry Outlook

アルミニウムはリチウムイオン電池のセルの集電体に使われており、コストと物性の観点で代替に適した他の金属がないため、電動化が進むと自動車か電気・電子工学の割合が高まるかもしれません。

 

 

アルミニウムの生産企業リスト

引用 Aluminium Market Size, Trends | Global Industry Forecast [2027]

アメリカや中国の企業が多いですね。

別サイト*ではメジャー企業は以下であると書かれていました。

Rio Tinto

② Xinfa Group Co., Ltd.

③ Rusal

④ Aluminum Corporation of China Limited (CHALCO)

⑤ China Hongqiao Group Limited

* Aluminum Market Trends, Analysis (2022 - 27) | Industry Outlook

 

 

アルミニウムの市場集中度合い

アルミニウムの市場は一部の企業による寡占状態ではないようです。

つまりアルミニウムの生産に優位性のある企業はないということになります。

引用 Aluminum Market Trends, Analysis (2022 - 27) | Industry Outlook

 

 

3. アルミニウムへの投資妙味はあるのか

1. と2. で書いたことを踏まえると、私は現在アルミニウムへの投資妙味を感じません。

※投資は自己責任でお願い致します。

 

価格予測のグラフを見たところピークを過ぎた恐れあり

1. の価格予測で上昇のピークは2022年 (今年) であり、その後下落すると予測されています。

ピークがまだ来ていないとしても、2022年以降は下落見込みなので短期投資になるかもしれず、今の相場でリスクリウォードはあまり良くないと思います。

 

そもそもアルミニウムへの投資手段が少ない

ETF

 ・WTアルミニウム上場投信 (1692.T)

 ・ETFs Aluminium (ALUM.LSE)

 貴金属のETFに比べて出来高が低いです。

 

● 生産会社の株

 2. の生産企業リストのように数多くあり、寡占ではないため、アルミニウムの価格と相関が高い企業を見つけるのが大変です。

メジャー企業のリオ・ティントですら株価とアルミニウムの相関は低いです。

 

● CFD

 

今回の記事を書く前は、アルミニウム価格は今後上がるだろうと思っていましたが、あまり期待できないかもしれません。意外でした。

 

本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

以下のような記事もあります。よろしければ、ご参考までに。

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