アノマリー_夏枯れ相場における株と貴金属の値動き
市場には「夏枯れ相場」という言葉があります。
本記事では、過去の夏の相場データについて書きたいと思います。
※本記事はあくまで、2007年~2021年のデータをまとめて書いたものであるということをご承知おき下さい。投資は自己責任でお願いします。
1. 夏枯れ相場について
夏枯れ相場とは
市場関係者が夏季休暇を取ることにより、マーケットの取引高が極端に減少し、相場が閑散として方向感に乏しい状態になることを言います。
夏枯れ相場の期間
夏 (7~8月) になると、外国人投資家は9月の第1月曜日である祝日、「レイバー・デー」に向けて夏季休暇を取ります。
これに日本のお盆休みや夏休みの時期が重なることで、夏枯れ相場は形成されます。
お盆休みが終わったころから市場参加者が増え始め、売買高も通常に戻ります。
夏枯れ相場はあくまでアノマリーの一種
アノマリーとは、ある法則・理論からみて異常であったり、説明できない事象や個体などを指します。
2. ダウとS&P500の変動率
2-1. 1946~2006年の傾向
書籍*のデータを引用するとダウ平均とS&P500の1946~2006年の7月お8月の月次変動率はそれぞれ以下のようです。
ダウ平均 (キャピタルゲイン)
7月 : 約+1.0%、8月 : 約-0.1% (年平均約+0.6%)
S&P500 (配当を含む)
7月 : 約+1.0%、8月 : 約+0.5% (年平均約+1.0%)
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長期間の平均データを載せただけなので、あまり多くのことは言えないですが、年平均と比較して、7月は強く8月は弱いという傾向があります。
次に最近の変動率を集約したグラフを示し、傾向を掴みたいと思います。
2-2. 2007~2021年の傾向
7~9月の米国指数の変動率をまとめたグラフです。
7月は比較的上昇率が高いですが、8月の相場は弱いです。
この傾向は1946~2006年の傾向と同様のようです。
'22/9/4 追記) 2022年の変動率は以下の通りでした。
ダウ平均 : 7月 +6.73%、8月 -4.06%
S&P500 : 7月 +9.11%、8月 -4.24%
7月が強く、8月が弱いというアノマリー通りの結果になりました。
3. 貴金属の価格変動率
では株価指数の8月の上昇率は低かったですが、貴金属はどうでしょうか。
下図は金と銀、プラチナの2007~2021年の8月の価格変動率のグラフです。
8月は株価指数より金や銀の方が強い傾向があります。
銀やプラチナはボラティリティが大きいですね。
4. まとめ
〇 米国株価指数は7月に比較的上昇率が高いですが、8月は低い
〇8月は金や銀の方が米国株価指数より強い傾向がある
ちなみに貴金属の最大下落はいずれも2008年に起こりました。
2008年といえば9月にリーマン・ブラザーズが倒産し、10月に日経とNYダウがいずれも大暴落した年ですね。
貴金属は8月の下落後、10月にさらなる大暴落が起こって底をつけました。
今年のような下落相場では注意したいですね。
アノマリーは参考程度にはおもしろいかもしれません。
本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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