倹約エンジニアの分散投資ブログ

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【プラチナ】化学的性質の似た金より希少なのに、なぜ半分の価格なのか?

こんにちは! owngoalkunです。

 

常々疑問に思っていることです。

下のチャートは金とプラチナ (白金) の月足チャートです。

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引用元 https://jp.tradingview.com/chart/

 

プラチナと金の価格を比較すると、

2011年以前    プラチナ>金

2012年~2015年 だいたい同じ

2016年~現在   プラチナ<金

今やプラチナの価格は金の価格の半分ほどです。

 

 

 

 

元素周期表でプラチナ (Pt) と金 (Au) は隣り合い、いずれも6周期にある化学的性質の似た貴金属です。

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また、いずれも化学的に安定です。

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両者のこれまでの産出量をオリンピックサイズ・プール (50 m ×25 m) に換算すると、金はプール3杯分なのに対して、プラチナは1杯分であることから、プラチナの方がより希少であることがわかります。

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それにも関わらず、なぜ金の価格の半分しかないのかということについて疑問を持ち始めたので、需給と基本的な性質の違いから考察してみました。

 

 

1. 供給量とその内訳

プラチナと金の供給量とその内訳のグラフです。

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(以下のサイトのデータを基にグラフを作成

プラチナ World Platinum Investment Council - Supply & Demand - Historical Data (単位はキロオンス koz)

Gold Supply and Demand - 2010 thru 2018 と https://pubs.usgs.gov/periodicals/mcs2020/mcs2020.pdf)

 

供給量は桁違いに金が多いです。プラチナの年間の供給量は金の18分の1程度です。

また、プラチナの産出国は金より少なく、廃棄のリサイクルを除いた新規の採掘では南アフリカが70%以上を占めるといった、限られた地域に偏っています

 

2. 需要量とその内訳

プラチナと金の需要量とその内訳のグラフです。

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(以下のサイトのデータを基にグラフを作成

プラチナ World Platinum Investment Council - Supply & Demand - Historical Data (単位はキロオンス koz)

金 Gold Demand by Country | Gold Demand and Supply Statistics | Goldhub)

 

需要量も桁違いに金が多いです。プラチナの年間の需要量も金の18分の1程度です。

また、用途も宝飾や投資よりは自動車や工業を占める割合が大きいです。

これは、宝飾や投資、中央銀行の在庫としての用途が大きい金とは対照的です。

 

2-1. なぜプラチナより金の方が宝飾や投資の需要割合が高いのか

プラチナが価値あるものとして認識されるようになったのは1735年で、紀元前3000年代に使われ始めていた金より数千年経ってからのことでした。

 

また、金本位制が日本やイギリスでは1931年まで、アメリカでは1968年まで続いていたことから、安全資産は金であると世界中で普遍的に認識されており、宝飾や投資の対象も伝統的な価値のある金の方が主流であるわけです。

 

ちなみに2015年のデータですが、宝飾品としての需要は1位が中国で、2位が日本であり、この2ヶ国が大半を占めています。

 

プラチナ消費の内訳 (2015年)

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引用元 プラチナ価格の低迷。その正体は?鍵を握るディーゼル車 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 

2-2. なぜプラチナの方が金より自動車や工業用としての需要が高いのか

● プラチナは触媒として高い活性を持っている

触媒としての機能 (酸素還元活性) をもっていることから、下記のような用途があります。

・自動車の排気ガスの浄化触媒

・化学工業の水素化反応の触媒

燃料電池の電極  など

 

金にはこの酸素還元活性はありません。

 

★触媒とは

化学反応速度を速めて、自身は反応の前後で変化しない物質です。

単純に水素と酸素を白金触媒存在下で反応させた場合、以下のような過程を通りますが触媒自身は変化しません

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例) 自動車排気ガスの浄化触媒 (三元触媒) の概略図

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引用元 東北大学材料科学高等研究所 (AIMR)

 

 

 

● 耐熱性が優れている

高温で過酷な環境にも耐えられる部品の金属材料として多用されます。

以下に金属の融点の表を載せます。(相場観がわかるように白金と金以外の金属も載せています)

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白金は金より700℃融点が高いので、耐熱性では金より優位です。

 

 

3. プラチナの需要の低下

2章でプラチナの需要と用途について述べましたが、特に自動車用や宝飾用としての需要が低下しています。

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以下サイトのデータを基にグラフを作成

参考 World Platinum Investment Council - Supply & Demand - Historical Data

 

自動車用の需要としては、特にディーゼル車の排ガス浄化装置向けが多いのですが、2015年にフォルクスワーゲン社の不正問題が発覚したことや、欧州のディーゼル車の売り上げが減少傾向にあることから、プラチナ需要が減少しているのです。

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引用元 プラチナ価格の低迷。その正体は?鍵を握るディーゼル車 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 

また、宝飾用としての需要は景気鈍化の傾向がみられる中国や日本、インドで減少しています。 

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引用元 プラチナ価格の低迷。その正体は?鍵を握るディーゼル車 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 

 

以上の事から、

自動車用や宝飾用としてプラチナの需要が減少したことにより、世界中で資産価値が高いと認識されている金の価格と差が開いていると考えられます。

 

4. 最後に

昨今の情勢を考えると、しばらくは自動車の売り上げや宝飾品の需要は回復しないと考えられます。

 

しかし、私は資産のポートフォリオに1%だけプラチナETFを入れています。

ちなみに過去にプラチナなど貴金属のETFの種類について記事を書きました。

 

これは少し趣味も入っているのですが、根拠がない訳ではなく、2章で載せた需要のグラフを見ると、投資用としての需要が増加していることがわかります。

 

これは、プラチナが希少であるにも関わらず安値であると判断された買いや、プラチナが金にも劣らない資産としての価値があると気付かれてきたことではないかと考えています。

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(以下のサイトを参考にグラフを作成 

World Platinum Investment Council - Supply & Demand - Historical Data (単位はキロオンス koz))

 

他にもプラチナの良さはまだまだありますが、本日の記事は「プラチナが金より希少なのになぜ半分の価格なのか」という内容なので、また次回以降に紹介していけたらと思います。

 

 

 

本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも参考になればと思います。

 

 

 

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